アボカド
栄養豊かで、まったりとした食感から「森のバター」とも称されるアボカド。
こくもありつつ、爽やかなお味は、サラダやサンドイッチなど洋食系のみならず、わさび醤油や、エビ、マグロ、サーモンなどで、お寿司や和え物など、和食とも相性が良いですね。
甘みがないので、デザート的なフルーツのイメージがなく、野菜のように感じますが、果物に分類されているそうです。
アボカドは、中南米が原産で、栽培がいつ頃から始められたのか定かでないほど、歴史が古く、少なくとも、数百年以上、食べられてきたそうです。
英語では、alligator pear アリゲーター・ペアという別称もあり、日本でもこれを直訳して、「ワニ・ナシ」と呼ばれていた時代もあったそうです。確かに、ゴワゴワざらざらで突起が無数の果皮は、そう言われてみれば、ワニっぽい?
果肉の脂肪分は不飽和脂肪酸が主体で、カリウムやビタミンEなどのミネラル、食物繊維が豊富と、積極的に取り入れたい食材です。ギネスブックに、「最も栄養価の高い果物」と登録されているほどです。
悩めるのは、食べごろを見極めること、でしょうか?ナイスタイミングなら、まったりとして芳醇、最高においしいですね。
若いと青臭く、シャクシャク?ガリガリ?うまく表現できませんが、ちょっとの違いで、食味は大きく異なります。
熟しすぎると傷んできて、これもまた、残念なお味になってしまいます。
調べてみると、アボカドは、収穫後、追熟が必要な果物ということで、その方法にちょっとした配慮が必要なようです。
アボカドをおいしく追熟させるには
アボカドは、4.5℃以下で長時間過ごすと、維管束という部分が変化して、正常に追熟しなくなるそうです。
そういえば、いつもは見かけない頑強な繊維があり、スジスジで、食べられない時って、たまにあります。それは、4.5℃以下の低温にしてしまったということだったのですね。
また、追熟の際、温度が高すぎ(27℃以上)たり、低すぎ(4.5℃以下)でも、変色してしまうそうです。ふむふむ、こちらも経験ありですね。
追熟の適温は、21℃くらいだそうです。追熟時の温度が低い(17℃)と、追熟の目安の「皮が黒くなる」が確認できる前に、果肉が柔らかくなるようです。この場合も皮の色だけで判断すると、食べごろを逃してしまいそう?
また、現在日本で流通しているアボカドは主に、「ハス種」(ワニのような皮のもの)という種類ですが、日本国内で栽培されている希少種(ベーコン種やフェルテ種)なら、皮はもう少しなめらかで、熟しても皮が黒くならないということで、この場合、皮の色では判断できません。
近所のスーパーで国産のアボカドを、たまに見かけましたが、青すぎると思ってスルーしてました!そういう種類とは知りませんでした。今度出会ったときは、試してみようかな?(といっても、ちょっと高級なので、躊躇します。)
アボカドは、5-7℃では、1カ月ほど貯蔵可能で、常温に戻せば、その時点から追熟が始まるということなので、おいしそうなものを見つけたら、まとめて保存し、食べたい分だけ、小出しに追熟で楽しむことが、出来そうです。
ミギー家の謎
これは何でしょう? 10年ほど前、実家にUターンした直後、キッチンに無造作に置かれている、これ(アボカドの種)を、迷いなく捨ててしまったことがあります。
その当時、国産のアボカドを、店頭で見かけたことがなく、日本では育たないものと思っていて、まさか、「アボカドの種をまく」という発想は、ミギーには毛頭ありませんでした。
アボカドの種・アボカド栽培
立派な種であるがゆえに・・・。母は、アボカドの種をまいて、育てたくなるようです。「無理と思うけど、もし実ったらと思うと楽しい!」だそうです。ふむふむ、ミギーも、なんだか興味が出てきました。
種は、よく洗い、ヘタがついていた側(少し尖がっている)を上にして植えます。
母の体験談では、植えると発芽するらしく、地植えでは、幼木の時、冬に枯れてしまうことが多いそうです。(ならば、幼木の頃は、鉢植えで寒さを避けるようにしたら、よさそうですね。)
そんな我が家のほったらかし育成でも、1本だけ、とても立派に育っています。
樹勢がすごくて、今、5~10mくらい?。ミギーが、Uターンしてきた頃には、すでにあり、当時3m以上だったと思うので、樹齢は確実に10年以上ですが、果実が実ったところは、一度も見ていません。
アボカドを種から育てた場合の結実年数は、4-8年くらいかかるようです。さらに、アボカドは、めしべとおしべが成熟するタイミングが異なっていて、その成熟のタイプに、2種類あるそうです。
1日目の午前にめしべが成熟し、2日目の午後おしべが成熟するAタイプと、1日目の午後にめしべが成熟し、2日目の午前におしべが成熟するBタイプ。じっくり考えないと理解できない、ややこしさ。
近くに、AタイプとBタイプの両方がなければ、受粉できないことが多く、単独での受粉は困難ということのようです。超広大な果樹園なら、同じタイプでも、開花時期に差が出たり、昆虫が花粉を持ち越したりして、結実できるそうです。
ちなみに、流通量が多い ハス種はAタイプ、希少な ベーコン種、フェルテ種はBタイプです。
ミギー家のアボカドの木は、たぶん、ハス種と思いますが、ハス種は寒さに弱いということなので、いきなり地植えで、寒さに負けずに育ったことから考えると、もしかしたら、ベーコン種、あるいは、フェルテ種なのかも?
1本では受粉が難しい。けれど、タイプが特定できず、近くに別のタイプを植えることもできません。ということは、結実の見込みは、なし?
ごく稀に、気候や温度によって、めしべとおしべの成熟タイミングが合うこともあり、そんな時は、1本植えでも、収穫につながるケースもあるらしいです。我が家は、これを期待することにします!
花が咲き、無事に受粉できた場合も、果実の成熟まで10-15カ月もかかるそうです。
ここまでくると、ほぼ、空想のような気がしますが、万一、実ることがあったら、樹高が高すぎ、山の傾斜面に生えているし、絶対に手が届きません。高枝切狭も無理っぽい(汗)。
木の下で指をくわえ、「あのアボカドは酸っぱい」とイソップ童話のキツネさんのように負け惜しみ?
自然下では、樹高は、30mになることもあるそうですので、我が家のようにならないよう、適宜、剪定が必要ですね。
追記:上の内容を、母に話してから、しばらくすると、木が根本のあたりまで、ばっさり剪定されていました。樹高が高くなりすぎたということです。
こんなに大胆にカットされましたが、その後、にょきにょきと新芽が出ています。
アボカドの注意点
アボカドに含まれる糖の1つに、D-マンノヘプツロースという単糖があり、インスリンの分泌を抑える作用があるという報告もあるようです。(2型糖尿病の方は、念のため、ご留意下さい。)
マンノヘプツロースがアボカドにどれくらいの量が含まれ、どれくらい作用があるのか?は、調べてみても、分かりませんでした。
アボカドに含まれる他の成分との兼ね合いもあるので、トータルでは、心配するに値しないかも分かりません。(逆にアボカドをオススメしているサイトも多かったです。)
いずれにしても、どんな食品も、そればかりを食べすぎず、ほどほどが安心かな?と思います。
アボカド・きゅうり・エビのマヨネーズ和え
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