水棲亀のクサガメを真冬の海で保護
2016年のバレンタイン、その前日は、強風と雨の荒れた天候でした。
前日、外遊びが出来ず、退屈していた犬たちを連れ、いつもの海水浴場の砂浜を歩いていると、黒っぽくてぺったんこな干物のような物が目に留まりました。
近づくとカメのかたち、死んだカメが漂着したのだろうと、思いました。
ところが、ミギーと犬たちの物音に、危険を察知したのか、干物のようなカメがほんの少し、もごっと動き、それに驚いたミギーは、そのカメさんを凝視しました。
寒い砂浜で、乾燥し、弱っている姿に、
「海に戻してあげたら、浦島太郎みたい!」
「でも、ウミガメにしては、泳ぎ下手そう・・・。」
一生懸命、ウミガメのイメージを思い出して見て、
「ちょっと違うっぽい?」
「でも、どこかで見たことあるような気がするかも?」
カメに詳しくないので、分からないけれど、なんとなく、この真冬の砂浜にこのまま放っておくのは、ダメな気がする。で、は虫類も、好きなわが子、アレンに電話してみました。
犬の散歩はそっけなく断り、同行してくれなかったのに、即答で
「行くっ!」
となり、20分圏内の距離なのに、10分足らずで飛んで来ました。
アレンの到着を待ってる間に、海辺に漂着していたお豆腐の空パックを見つけ、ワンコ用に持っていたビニール袋を手袋代わりに、カメさん収納。
カメさん入り、お豆腐パックをビニールに入れ、お持ち帰り準備完了。
8センチくらいの大きさです。
「見た目より、軽っ!」
と少し心配になりました。
アレンが、
「ペットショップで見たことがあるカメ!」
「このままでは、やばい(カメさんの命)」
「でもカメの種類は分からない。」
だったので、急いで犬を家に連れ帰り、応急処置として、
「たぶん水気があった方が良さそうな気がする。」
とアレン。湿らせた水コケを敷いたプラケに移したカメさんと一緒に、ペットショップに行きました。
お店で、そのカメさんが、水棲亀のクサガメ(別名:ゼニガメ)であること、飼育方法などを親切に教えてもらい、食べ物や最低限必要な機材を揃えました。
私もアレンも、誰か飼育者に捨てられたカメと思っていましたが、こちらの周辺では、池や川にも生息しているらしく、野生なら、餌付けに1週間くらいかかるかもしれないとも、教えてくれました。
実際、教えてもらった通り、初めて餌を口にするまで、ちょうど1週間でした。
当初、紫外線ライトを設置していなかったこともあり、その後、病気を発症し、左手の爪と指が欠損してしまいました。(クサガメの病気・水カビ病の治療法と飼育に最低限必要なもの)
しばらくたって、友人から聞いた話では、その時期、護岸工事の影響で、多数の漂流カメが発見されたそうです。
このカメさん、アレンが飼い主となり、コティーと名付けられました。
通常、20-30年くらいの寿命のようですが、中には、100年生きることもあるらしく、ミギーは最後まで飼育することが出来ません。
まだアレンは若いのですが、もしも、長生き飼育が出来て、
「アレンがお年寄りになってきた時、コティーが元気でいたら、
後を託せる人を、早めに見つけておいてね。」
と言ってます。
カメは万年と言いますが、そんなに長生きとは、自分の家で飼育を始め、他人事ではなくなるまで、ピンとこなかったです。生き物飼育では、最後までお世話ができるかどうか、寿命も事前に知ってからでなければ、安易に飼育してしまってはいけませんね。
このカメさんとミギー、長生き比べしようかな?アレンのお世話になりながら?
バレンタインデイの保護から約10か月、倍くらいに成長しました。当初、見かけより軽く、痩せていましたが、今はしっかり重くなりました。
好奇心が強く、人にも懐いています。撮影下手なミギーですが、カメラ目線、いただきました。
◆水棲亀は、サルモネラ菌を保菌していることがあるので、触った後は、手洗いを徹底し、飼育水を流す際にも、注意しましょう。
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